猫とムーンライト・セレナーデ

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ソロモンの偽証  映画 感想

見てきました。妹と一緒に。それほど最初は興味なかったのですが妹に「演技すごいらしいよ!」という話を聞き、それならと思い早速観に行きました。

結果、とてもおもしろかったです。

この映画、原作は宮部みゆきさんの小説なんですね。

 

宮部みゆきさんの小説はそれほど多くは読んだことはありません。ほんの数冊程度です。その数冊程度なんですがこの人の書く文章というか、表現がどうにも生々しくリアルで苦手で。この人の書く物語はファンタジーでも、なんていうんでしょう・・・。何かどす黒い、人間の憎悪なんかが不快になるぐらい詳細に描かれていたこともあって(あくまで私の印象ですが)夜中は見たくないな…と思うくらいには私的には怖いんですよ~ その情景が頭の中で反芻されちゃって。

なので映像か・・エグくないかなあ(精神的に)と心配していましたが、やはり所々の描写が・・ウッ!となる場面はありましたが、想像してたよりは怖くなかったです。

 

★個人的な映画の点数です★
前編‥75点
後編‥65点
 
※ここからネタバレ注意
※また私は小説未読です。ここは小説だと◯◯だけど映画だとカットされてる!アレンジされてる!っていう部分があれば是非教えて下さい
 
 
 
どんな話なのか簡単に言うと、とある中学で殺人事件が起こり、その事件の第一発見者となった主人公が学校で裁判を開こうとするお話しです。
 
うーん、まず設定がすごい。学校で裁判てなんぞや。有罪、無罪とか子どもが言ったところで何の解決にもならないのでは?‥と最初は思ってました。
 
しかし、これは罪を糾弾するのではなく事件に巻き込まれてしまった人たちに説明を求めることが出来る、その人たちにとっての挽回のチャンスを与えられる場‥だとすればこの『学校裁判』の存在の意味は、まぁ分かるかなと思ったんですよ。
 
前編までは事件発生から裁判の準備まで。
 
正直‥私は前編の方が好きです。
あの事件が始まる前の日常‥そこから不穏になっていく雰囲気が面白くてたまりませんでした。
 
後編はまるごと裁判の話ですね。(序盤に少し準備が入ってたかな)
 
しかし、その裁判内容が思っていたものと
違いました‥。うーん、ちょっと残念だったかな。
 
まず第一に1日1日がさっぱりしすぎていて、ちょっと感情移入しづらいかな、と思いました‥(°д°;)
 
いや、尺が足りないのは‥わかります。
でも、黒木華さん演じる女性教師のくだりはもう少し欲しかったし、父兄がいる前で『柏木くんが怖かった~』なんていったらそれこそ人生終わる気がするんですけども。しかし‥可哀想な人だ。タイミングが悪かったばっかりにマスコミに叩かれて‥
 
あれ、そういやあの新聞記者はどこいった‥
 
なんか序盤の方と女性教師とあの頭がイカれた隣人の修羅場?にしか出番なかったし(しかも後ろにちょっといるだけ)
 
学校裁判のことニュースとか新聞とかにはしなかったのかな?(・・;)反省したってこと?
 
そして、この事件の真相‥
 
なんと
柏木くんは
 
殺されたのではなく、自ら命を断ったと‥
しかもそれを神原くんは知っていたと‥
 
えええええ(°Д°;≡°Д°;)
 
うそだー!!うそだーー!!
前編見た後に
「やっぱジュリちゃんが犯人なのかな‥?いや、それとも大出の取り巻きとか怪しくね‥?」とか予想してたのに!!恥ずかしい!!恥ずかしい!!
 
っていうか、神原くんは柏木くんから電話来た時点で警察呼んだらよかったんじゃ‥
あの状況じゃダメかな‥?
 
てことで、結局実質的な犯人はいなかったということは少し残念でしたが
主人公藤野涼子の「自分の罪は自分で背負っていくしかない」という言葉を聞いて
 
ああー‥この 言葉 ‥
絶望的になりそうな言葉だけど、そこに少し優しさというか温かみのある言葉だと私は思いました。なんというか 宮部さんらしい言葉だな と。思ったわけです。らしいって、個人的なイメージなんですけどね。今まで小説読んできて感じたイメージ。
 
でも最後はみんなハッピー?みたいな終わり方なのは うーん、って思いました。
まぁ やりきったけど、そんなに明るくなるとこでもないよ‥ね‥
 
全体としてはとても良かったです。演技素晴らしい!また別の作品で藤野涼子さん見たいですね。